サルベストロールはどうやって生成されるの?

日本ではサルベストロールという言葉を初めて耳にするかたも多いと思いますが、それもそのはずです。サルベストロールは植物に含まれていますが、2000年代に発見された新しい天然成分なのです。

その定義は「ガン細胞特有の酵素と反応し抗ガン物質に変化する植物由来の化合物」というもの。サルベストロールは、植物が身を守るための自然の防御システムによって生成されます。詳しく見ていきましょう。

植物が身を守るための自然の防御システム

サルベストロールは菌からの攻撃を受ける無農薬栽培で多く生成されます。

植物はつねに病原菌からの攻撃にさらされています。その主な外敵のひとつは真菌=カビですが、これらから身を守る役割をもつ成分のひとつが「サルベストロール」なのです。

植物はカビ菌が攻撃をしてきたときに、サルベストロールを作り出して侵入を防ぎます。この防御システムが働くのはカビ菌が付着したときだけです。そのため、カビ菌などのストレスにさらされない植物ではサルベストロールをほとんど作ることができません。

植物の種類によってサルベストロールの生成されやすさには差があるものの、私たちが目にするほぼすべての野菜・果物・ハーブ類にサルベストロールが存在するといわれています。

自然の環境でのみ現れる天然の抗菌剤

サルベストロールはカビ菌などの攻撃をきっかけに生成されます。そのため、農薬によって病原菌やカビが寄り付かない環境で育つ植物では、サルベストロールの生成は激減してしまうのです。効率重視で大量生産を促す現代農法では、農薬を使うのは当たり前。サルベストロールの量は減ってしまっているのです。

最近は化学肥料や農薬の身体への影響を危惧し、有機・無農薬農作物=オーガニック野菜が作られるようになりました。サルベストロールという有効成分を摂り入れるためにも、オーガニック野菜を選ぶことが大切です。

農薬栽培と無農薬栽培
〜サルベストロール生成量の違い〜

果物の皮に見られる黒い斑点は、植物がカビと戦い抜いた傷跡で、サルベストロールがたくさんあります。

育つ環境や作物の種類にもよりますが、無農薬栽培と農薬栽培の農作物が含む「サルベストロール」の量の差は、約3倍から30倍にもなるといわれています。

日本の有機JASの認証マークがついた農作物でも、一部許可された農薬を使用している場合があります。自然栽培と呼ばれるような、自然のままの環境で育った植物にサルベストロールは多く含まれます。信頼できる農家さんから購入したり、自宅の庭で栽培したものを食べる事で、サルベストロールをなるべく多く摂れるように工夫していきましょう。