【特集コラム】日本は実は農薬大国!?

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スーパーで見るきれいな野菜や果実にはたくさんの農薬が使われている!?「世界第3位の農薬使用量」と嘆かれている日本…。このような事態になった背景・実態にせまります。

日本産の野菜は安心?

私たち日本人はどこかで「国産だから安心」だと思いがちではないでしょうか。もちろん品質や衛生管理などは世界トップクラスですが、実は日本の面積あたりの農薬使用量が非常に高いのも事実です。

日本は諸外国に比べて、面積あたりの農薬使用量が多いんです!

また、日本では諸外国よりも農薬の使用基準がゆるく設定されています。他国では使用禁止と指定されている農薬が使われていることもあります。こうしたことから、諸外国から見ると、日本の野菜の安全性には懸念を抱かれるケースも多いようです。

しかし、これはあくまでも農薬の使用量を全耕作面積で割ったもので、作物ごとに他国と比較すると日本の使用量が少ない食品もあります。国産野菜だから全てが農薬まみれというわけではありません。

「日本が農薬大国」と呼ばれる背景

約20年間にわたりオーガニック業界に携わってきた山口タカさんに伺いました。

実は昔の日本の、特に田舎では人糞を肥料に使っていました。人糞をまくと虫が湧くので、昔の人は基本的にサラダのように生の野菜を食べるという習慣がありませんでした。実際、和食にはサラダというものがなく、全部の料理に熱を通しますよね。だからそのまま生で野菜を食べるという感覚は一般的にはあまりなかったのです。

戦後、アメリカ軍が日本の野菜を生で食べようとしたところ、虫が湧いていて食べられなかったことをきっかけに変化が起きます。生で食べるためには消毒が必要となり、おのずと農薬を使う流れになっていきました。

その他にも、人糞を使っていては生産量が上がらないことも、農薬を使った理由に挙げられます。どうしても当時は戦後の人口増加に伴う大量生産が必要だったため、市場が農薬を使わざるをえなくなってしまったのです。

さらに、日本は温暖多雨な気候のために、害虫やカビなどが発生しやすい環境にあります。そのため、農薬の使用を避けにくいとされてきました。

つまり、以下のような理由から日本では農薬が使われるようになっていったのです。

  • 戦後に生の野菜を食べる文化が入ってきたとき、消毒が必要であった
  • 戦後の人口増
    加に対応するために、生産量をあげる必要があった
  • 温暖多雨な気候のために、害虫やカビ対策が必要であった

意識することから始めよう!

このように農薬は私たちの身近に存在しています。実際に、農薬の決定的な被害というものは発表されていませんが、除草剤などの影響で植物が変形したり、耐性を持った雑草が生えるようになってしまったりと、植物への被害は多く言われています。

私たち人間、そして動物にも何らかの影響があることは否めないでしょう。原因不明の体調不良や不定愁訴など、思い当たる節はありませんか。もしかしたらこれも「食」が関係しているかもしれません。

しかし完全な無農薬野菜を買おうとすると、どうしても高価になってしまいます。農薬を完全に避けて生活することは難しいのが現状です。これからは消費者として農薬とどう向き合っていくかが大切になってくるでしょう。

近年では、残留農薬を除去するスプレーやパウダーなども販売されているので、それを上手に活用するのもオススメです。まずは可能な範囲から、できるだけオーガニック野菜を選んでみたり、残留農薬をできるだけ除去する方法を試してみたりするところから始めてみましょう。

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