
加齢とともに上昇するがんリスク
近年の日本では、多くの方がペットを飼っています。全国の家庭の約28.6%がペットを飼っており、そのうち、「犬」を飼っている割合は44.4%、「猫」を飼っている割合は38.4%です。
近年大きな話題となるのが、ペットのがん。人と同様に、犬猫ががんになるリスクは、年齢が高くなるにつれて急激に増します。実際、犬の約54%、猫の約38%ががんで命を落としているのが現実です。
種類や大きさにもよりますが、一般的に犬では5~6歳頃からがんのリスクが上昇し、特に7歳をすぎると発症率が顕著に高まります。10歳を超えると、犬の約6頭に1頭が腫瘍疾患を発症しているというデータもあります。
愛する家族が高齢になると、特に健康管理が重要になります。定期的な健康診断や適切なケアで、残された時間をできるだけ豊かに過ごせるようにサポートすることが大切です。
犬・猫 死亡原因病気TOP10
【出典】日本アニマル倶楽部「犬・猫 死亡原因・病気TOP10」
がんは、犬や猫にとって最も多い死因となっています。そのため、ペットの健康を守る上で、がん対策は特に重要な課題です。さらに、多くの獣医師が指摘しているように、以前と比べてがんにかかる犬や猫の数が増加傾向にあります。このような状況から、ペットの飼い主さんは、愛する動物たちの健康管理により一層注意を払う必要があるでしょう。定期的な健康診断や日々の観察を通じて、早期発見・早期治療につなげることが大切です。
ペットもがんになるの!? 犬猫のがんの原因
犬猫のがんの原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が考えられます:
加齢
: 高齢になると免疫力が低下し、がんになるリスクが増します。
遺伝的要因
: 犬種や猫種によってがんのリスクが異なることがあります。
食事の変化
: 加工食品や栄養の偏り、食べ過ぎ、酸化防止剤の入ったペットフードなどによる影響が考えられます。
肥満・運動不足
: ペットが食べたいだけ食べ物を与えたり、運動不足による代謝異常の可能性も考えられます。
かかりやすい犬種はあるの?
「ゴールデン・レトリーバー」「パグ」「ラブラドール・レトリーバー」「ミニチュア・シュナウザー」などの犬種は、がんの発症率が高いことが知られています。これらの犬種を飼っている方は、特に健康管理に注意を払う必要があります。
しかし、これは悲観的になる必要があるということではありません。定期的な健康診断や早期発見のための検査を行うことで、病気の進行を遅らせたり、治療の選択肢を広げることが可能です。愛犬の健康を守るために、日々のケアと観察を大切にしながら、一緒に充実した時間を過ごしていきましょう。
早期発見と予防
がんの早期発見と予防は、犬猫の健康管理において非常に重要です。以下の点に注意しましょう:
定期的な健康診断
: 特に6・7歳以上の動物は、健康に過ごしていても年に1~2回の健康診断を行うことをお勧めします。近年では、ご家庭でできる動物用のがん検査キットも多くあります。
自宅での観察
: 異常な腫れや出血、食欲不振、体重減少などの症状に注意を払いましょう。
適切な食事と運動
: バランスの取れた食事と適度な運動は、全体的な健康維持に役立ちます。
環境管理
: 汚染物質、有害な化学物質を避けるなど、環境要因にも注意を払いましょう。特に殺虫剤や消臭剤等は、体の小さい犬猫にとって、人間よりも害が大きい場合もあります。
早期発見と適切な治療により、多くの場合、犬猫のがんの進行を遅らせたり、症状を緩和したりすることが可能です。愛するペットの健康を守るため、日頃からの注意深い観察と定期的な獣医師の診察をうけましょう。