
人間のがんより進行が早い「犬猫のがん」
犬猫のがんは人間のがんと比べて進行が非常に早いことが特徴です。人のがん細胞の倍加時間が約30日であるのに対し、犬のがん細胞は2〜7日と短期間で増殖します。このため、早期発見と迅速な治療が極めて重要となります。
犬の約54%、猫の約38%ががんで死亡しており、両者ともに死因の第1位となっています1。高齢化に伴いがんのリスクは高まりますが、定期的な健康診断や自宅での注意深い観察が欠かせません。
治療法としては、外科手術、化学療法、放射線療法に加え、免疫細胞療法や高濃度ビタミンC点滴療法などの新しいアプローチも行われています1。早期発見と適切な治療により、ペットの生活の質を維持しながら、がんと闘うことが可能です。
犬猫のがん治療
大切な家族ががんと診断されたら、家族としてできるだけのことはしてあげたいですよね。
犬や猫のがん治療には、主に以下のような選択肢があります。
外科手術
初期のがんや取りやすい位置のがん、転移の可能性がないがんの場合に最適です。
化学療法
抗がん剤を用いてがん細胞を破壊します。特に血液のがんに効果的です。しかし、副作用がでる可能性も多くあります。
放射線療法
外科手術が難しい場合に使用されます。
免疫細胞療法
自身の免疫細胞を活用した治療法です。
高濃度ビタミンC点滴療法
がん細胞を選択的に破壊します。
サルベストロール療法
がん細胞特有のCYP1B1代謝によりがん細胞を選択的に破壊します。どのがんにも有効です。
温熱療法
がん細胞が熱に弱いため、特に表面のがんに効果的です。
病院でできるケア、ご家庭でできるケアがあります。外科手術、化学療法、放射線治療は人間と同様3大治療法で有名です。ほかにも自費診療の選択肢として、免疫細胞療法、高濃度ビタミンC点滴療法があります。ご家庭でできる治療として最近注目を浴びているのが「サルベストロール療法」です。人間の治療においては臨床試験もあり、今動物のがん治療としても注目を浴びています。
犬猫のためのがん治療費はどのくらい?
猫のがん治療費は、症状や治療法によって大きく異なります。抗がん剤治療の場合、1回の投与で約2万〜3万円かかり、リンパ腫では6ヶ月で30〜40万円程度になることもあります。
犬の年間診療費は年齢とともに上昇し、1歳で約5万円、15歳で約24万円になります1。猫も同様の傾向で、1歳で約4万円、15歳で約18万円です。
特に高額になる傷病として、犬の鼻腔内腫瘍の年間診療費平均値は約32万5千円、脳腫瘍は約35万3千円です。
ペットの生涯平均治療費は、犬で約80万〜100万円、猫で約50万円と推定されています3。高額な医療費に備えるため、ペット保険への加入も検討する価値があるでしょう。
自宅でできる看護方法
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