サルベストロールの働きを助けるものがある反面、その働きを邪魔してしまうものもあります。食事の工夫などでせっかく摂取したサルベストロールが活躍できなくならないように、障害物は避ける必要があります。サルベストロールの敵と味方を知って対策をしましょう。
どのぐらい摂ればいいの?
健康維持には1日人参600本!?
サルベストロールの摂取量が100年前の10分の1程度まで減ってしまっている現代人。健康維持のためには、毎日どれくらいのサルベストロールを摂ればいいのでしょうか。
例えば、100年前の人々と同じくらいのサルベストロールを摂取するためには、無農薬人参を20本、農薬栽培人参を60~600本食べる必要があります。積極的に健康維持をしたい場合、海外ではこの量の3倍の摂取が勧められています。実際はいろいろな種類の植物性の食べ物に含まれているので、様々な料理から摂取することができます。
ガン治療には人参1万本!?
ガン治療の現場では、さらに大量のサルベストロールの摂取が推奨されています。それは、食べ物に換算すると、無農薬人参400本分、農薬栽培人参でいうと1200~12000本分となります。これは食べ物からだけだと摂取できる量ではないので、サプリメントなどと組み合わせての摂取が推奨されています。
サルベストロールの力を最大限に引き出す3つのコツ
いろいろな研究から、サルベストロールの力を効果的に引き出すためには、3つのポイントがあることがわかってきました。
私たちの体内時計はCYP1B1にも影響する!
私たちの体には生まれつき持っている生命リズムがあります。それは体内時計=サーカディアンリズムとも呼ばれていますが、サルベストロールの効果を高めるためにはこのリズムが重要であることが明らかになりました。
ポイントとなるのは、ガン細胞特有の酵素CYP1B1の活性リズムです。CYP1B1は早朝から15時までに活性のピークを迎えます。このタイミングでサルベストロールを摂取すれば、活発に働いてCYP1B1と結びつくので、消滅するガン細胞の数がより増えるのです。
サルベストロールを撮ってから血中濃度が上がるまでに3時間ほどかかりますので、朝食・昼食でオーガニックな食事を心がけることがオススメです。
新鮮な酸素がサルベストロールには必要!
サルベストロールがCYP1B1と結びついてガン細胞を攻撃するという一連の反応のためには、酸素が必要です。酸素カプセルなどの人為的な方法もありますが、軽い運動をして呼吸を深めることでも体内の酸素量を増やすことができます。
散歩や軽いジョギングであれば、時間的にも金銭的にも無理なく続けられます。気をつけたいのはコースと実施時間です。除草剤や農薬の心配がないようなコースを選び、CYP1B1が活性化する午前中から昼過ぎの時間に行いましょう。その他、ヨガや太極拳など呼吸を意識して行う運動や深呼吸などの呼吸法も大変有効です。
治療目的ならサプリメント活用も
サルベストロールには、ガン患者さんからの要望に応えたサプリメントが開発されています。日本でも約250箇所のクリニックなどで導入されています。サプリメントは全て無農薬の農作物から作られており、食事よりも高い濃度のサルベストロールを集中的に摂取できます。この場合も服用する時間や生活習慣には気をつけ、詳しい摂取方法は専門の医療機関に相談しましょう。
サルベストロールの敵「阻害物質」を避けよう
サルベストロールとCYP1B1の働きには、生活習慣や栄養素が関係しています。取り入れたサルベストロールの威力を失わないために、障害となるものを知り、その阻害物質を避けるような工夫をしましょう。
残留農薬を取り除こう!
農薬自体にはCYP1B1の動きを阻害する作用があることがわかっています。残留農薬のある野菜や果物を食べると、サルベストロールの働きは鈍ってしまうのです。全てをオーガニック食材にすることは難しいですが、なるべく残留農薬を取り除いてから食べるようにすると効果的です。
避けるべき食材を知ろう!
単体で見ると体に良い影響がある食材や栄養素でも、サルベストロールと一緒に摂取すると阻害してしまうものがあります。下記はなるべく避けるようにするとよいでしょう。
人工甘味料 | サルベストロールがガン細胞に侵入することを邪魔してしまいます。加工食品に多く含まれます。糖類似物質や人工甘味料はなるべく避けましょう。 |
多量のジュース | 肝臓でのサルベストロールの代謝を妨げてしまいます。もし飲む場合は、CYP1B1の活性が落ち着く午後3時行こうの摂取がオススメです。 |
グレープフルーツ | 含まれるナリンゲニンという成分がサルベストロール代謝を阻害するため、一緒の摂取は避けましょう。 |
亜麻仁油 | 健康食品としても有名。阻害物質であるビタミンB17を含むので、えごま油などで代用しましょう。 |
イチョウ葉サプリメント・セントジョーンズワート | CYP1B1を直接阻害するので避けましょう。 |
レスベラトロール | サルベストロールと構造が似ているため、1日50mg以上は避けましょう。 |
生活習慣を見直そう!
現代病は生活習慣の現れであるともいわれています。サルベストロールの力を最大限に生かすために、生活習慣についても見直してみましょう。殺虫剤や農薬は食べ物からだけではなく、呼吸とともに体に入ってきてしまいます。ゴルフ場や農場など「殺虫剤や農薬が多く使われている場所への出入り」は避け、ジョギングや散歩コースを見直してみましょう。
また、人体への影響も多い「喫煙」や農薬と同様にCYP1B1の働きを阻害する「抗真菌薬の使用」もサルベストロールの効力を下げる原因とされています。